トレジャーベイ×2 いよいよ本テーマのリボンゴビーと会える。 船は北風の中を突き進み、時折やってくる大きな波を蹴散らしながらマクタン島最北端を回りセブ島 方面へ向かう。トレジャーベイは唯一セブ島のポイントで大きな湾の中央付近に位置している。 ここは北風の吹く冬は来れないこともあるそうで、今日は風も弱くなりラッキーだ。 軟泥底なので透明度は最悪に近い。5〜6mまでは20cm、10mで30cm、15mで1m、20m すぎてやっと5m程度である。リボンゴビーがいるのは24m付近からで透明度は2m位でいきなり 目の前にリボンが現れるのでビックリしてしまいオロオロするのであった。 初めて観るリボンゴビーは思ったより大きく体色のブルーは想像より妖しく輝いていた。YOSHIさんの 指す先にいるリボンにハウジングを構えながら、ジリジリ寄りファインダーを覗きながら撮ろうすると 引っ込んでしまう。年甲斐もなくオーラを発生させているようだ。 YOSHIさんが次から次とリボンを教えてくれるが尽く引っ込んでしまい、上手く撮影出来ない。 透明度が悪くて50cm以内からでないとファインダーで確認出来ない環境なのに、その上6人も7人も 同じ場所にいるので当然泥が舞い更に環境は悪化する。オヤジは「人間塊」から離れては近づく ヒット&ウェー作戦に出ることにした。移動は横から斜めにして人のいない透明度5mを維持できる 場所を選んで行ったけど、結局まともには撮れなかった。 リボン以外のハゼは、サル3種、ヤツシsp4種、ホタテsp、などを確認する。撮影は自信がなかった。 12mほどでリーフのエッジにあたると、そこにはイワイとトモミさんが何やら観ている。覗くと YOSHIさんがブリーフィングで言っていたシマオリspであった。シマオリは黒点だけど、こいつの 点々はハタタテシノビのように可愛い。これって、シマオリ?という疑問が脳内を駆け巡る。イワイが 撮影終了したので近寄り構え撮影しようとしたら、イワイの足がシマオリspを直撃した。・・・バカッ。 50分ほど休憩して再度挑戦である。2回目で失敗するようではプロガイド・セミプロ写真家として生き てはいけない!潜行していくと、1本目より多少透明度も良くなっている。今度はいきなり28mへ 直行し、徐々に斜めに上がっていく作戦を取ったことが良かった。ほとんど近くに人が来ないので 撮影に没頭できる。ファインダーで覗くリボンは妖しく青光りし、その大きな体をホバリングさせている。 シャッターを切りながら近づくと急に姿を消した。しまった、引っ込ました。と思って肉眼で確認して みたら、正面だった。リボンは恐ろしく扁平なので真正面になると線と化すのであった。。。 ブルーバード、セイルフィン、ロブストのリボン3種とヤツシsp2種を撮影してホタテspを探す。と、 フタホシタカノハ似の見慣れないハゼを発見し近づいて行くと、背鰭がビヨ〜ンと立てて来た。 ホタテspである。あれは警戒した姿であることが発覚。3カットほど撮影し、先へ進んでシマオリspを 探す。ついでに邪魔者もいないか確認し撮影。エッジの6mあたりを減圧がてらウロウロし、ウミ ショウブハゼspやスズメダイ、ウミウシなどを1カットづつ撮影し、テーマ「リボンゴビーをちゃんと撮影し 泥ハゼを堪能する」の成功に喜びを隠せない素直なオヤジであった。 トレジャーベイは泥好きには堪らんハゼ天国で、「ニュウドウ以外は全部sp」の言葉通り まさにトレジャーベイの名に相応しいお宝湾であった。じっくり行きたいポイントNo1である。 ウミパラ 3本目は近場である。昨日のブルーウォーターから北に5分ほど行った場所で今度はドロップ オフではなく、藻場から砂地と続く緩やかな斜面のポイントである。 緩やかな斜面を進んでいくと低い根が点在し、腔腸類が豊富、エビ・カニ、ハゼが溢れている。 根を次々と渡っていくみんなの後からついて行くとひとつの根にピンクフラッシャーとラインスポットが フラッシング中であった。勿論そこで引っ掛かってしまうオヤジであるが、その横にはD70を持つ ヤマナシ妻が陣取り夢中で撮影している。オヤジとしては4本目の例の場所があるし、ここでは 優しい気持ちで譲り、程近い大きめな根に向かった。そこでは黄色いウミシダ内を泳ぐ ヤマブキスズメygを撮影。半透明な黄色が魅力的で口を開けてる時にシャッターを切った。 ちょっと印象の浅い、あまり記憶に残らない感じのポイントかな・・・。 コンティキ 昨日のフラッシャー天国の話をしたあと、アサイちゃんの目を妖しく燃えているのをオヤジは見逃さな かった。今日は全員(っていっても男だけのセルフ)がその場所を狙うので、ガイドはオヤジである。 その凄まじいほどの放精放卵の世界は観る物を引き付ける。ラインスポットのメタリックに光るブルーは とても魅力的で泳ぐ速度は恐ろしく速い。懸命にファイダーで狙うが直ぐ見失ってしまいシャッターを 切るまでいかないのだ。それでなくとも脳の命令に指先がついて行かない老人性命令伝達系衰退症 なのに。 * ごめん。そんな病気はありません。勝手につくりました。でも、良い症名でしょ? どうにかこうにか撮影は続き、フィルムアウトするまでその場から誰一人として離れない。最初に 行ったのはアサイちゃん。撮るの早いね。オヤジは16〜18枚持って入るけどアサイちゃんは36枚 で入るから倍以上のスピードで撮影することになる。そして、必ず「ストロボ入れ忘れたぁ〜」などと いう失敗があるのだ。時間一杯使って確認しながら撮れば良いのに・・・。これって、性格? こうして幸せな南国撮影生活は半分が終わってしまうのであった。 |
船長のサムエル |
とある日の昼食 |
寛ぐ男 |