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 セブ・マクタン行きを決めた理由はいくつかあるが、そのひとつに「飛行機に乗っている時間が
   短くて済む」がある。セブ・マクタンは空港のある島で成田から直行便で4時間20分で着く。
   飛行機嫌いのオヤジにとって、この事実は大きい。
   過去のツアーのように、グアムやジャカルタで乗り換えもなく、那覇-羽田間とあまり変らない
   飛行時間で到着することでオヤジの気持ちは天と地ほど違う。まして、出発が14:25と
   遅いので早起きしなくても良いということも加味され朝の目覚めも爽やかだ。
   普段通りの7:10頃目覚め、コーヒーを飲みながらゆっくりと新聞を読んでから朝食を頂き
   11:30にYCATに向かった。

   いつもだと早朝なので時間がなくて東神奈川からタクシーで行くのだが、時間があるのと
   昼間で空いているので電車で行くことにした。と、言っても横浜駅まで1駅だから
   大した事もない。料金も電車だと¥130で済むし、なんて経済的なオヤジであろうか。
   何の滞りもなくYCATに到着後リーダーだし、ちょいと早目な12:20発に乗車する。
   車内は案の定ガラガラであった。
   いつものトイレ横の席に座りいつものように、クライブ・カッスラー著の本を出し読み始める。
   今回は「ロマヌフの幻を追え」でカート・オースチン&ホセ・ジョー・ザバーラの活躍する
   海洋冒険小説である。米軍潜水艦NR-1が消息不明になり、捜索していくにつれ
   帝政ロシアの皇帝を崇める悪漢が出現し、その国際的陰謀を打ち砕いていくという
   痛快な話で、原題は「FIRE ICE」。ファイアーアイスとは、深海底の地底深くねむる氷に
   閉じ込められた天然ガスの愛称で、重要な鍵となっている。
   ダーク・ピットほどではないにしろ中々面白く読めて、1年1作なので都合が良いので
   愛読している。そうこうしているうちに成田国際空港に到着するが道路もガラガラで
   かなり早めな13:30に着いてしまった。

   集合場所の第2ターミナルGカウンター36番には勿論、誰も来ていない。
   暇なので荷物を引きながらトイレでウンチをしたり、一応米ドルも持っておきたかったので
   両替もした。どうでも良いが、あの外貨両替の手数料は暴利でないか?
   まずはイワイが両替所横のスタバから出てきた。聞いたら1時間前に来ていたらしい。
   なんだ、俺と一緒じゃん。だったら36番で待ってれば良いのに。。。
   次々と参加メンバーが到着するが、電話で遅れると言っていたヤマナシさんが来た。
   「奥さんは?」 「待っているのが面倒なので先に来ちゃいました・・・」えっ?それってあり?
   この出来事が後のマクタン夫婦間小競り合いを象徴することになる。

   ヤマナシ妻が遅れているので先に手続きすることにしてその旨を係員に伝え
   妻を待っているというヤマナシ夫(なんだ、優しいじゃん)を置いて荷物検査に向かうが
   事前に調査していなかった制限重量が気になるもアサイちゃんの「今回は削りに
   削っている」という自信に満ち溢れる顔が頼もしい。
   海外旅行の場合、6名いたら20×6で120kgまでOKというのが通常であるが
   自信に満ち溢れるアサイちゃんは、「空いているように見える別の列」に並び
   係員から別枠に取られ重量オーバーが発覚、こちらと同じグループだと主張するが
   こっちの空分ではカバー出来ず「超過料金を払え」に自信が音を立てて崩れていく。
   遅れていたヤマナシ夫妻が荷物検査へ向かうのが見えたので大声で呼ぶが
   聞こえないようで空いている隣のEカウンターへ行ってしまった。ヤバッ!
   ヤマナシ夫妻はカメラ器材が無いので空があるはずである。
   リーダーのオヤジはヤマナシさんの元へ激走し、事情を説明して待ってもらった。
   アサイちゃんは急いで荷物を持ってGからEへ走り、ヤマナシ夫妻の空分で難を逃れた。
   この時ヤマナシ夫妻の重量空分が案外少なかった訳は後になって判明する。

   PR433は定刻通り成田空港をスムーズに離陸し、良く晴れた空に向かって上昇して
   行く。機内はやや空席が目立ち1時間程読書をしていると機内食が配膳され
   成田空港2階大混雑立食的マクドフィレオフィッシュがまだ残っている腹に詰め込む。
   余談だが、オヤジはよっぽどのこと以外ハンバーガーを食わない。多量の牛肉を生産
   するために森林が伐採され牧場となってしまうハンバーガーコネクションが理由である。

   機内で上映される日本より一足早い映画も海外旅行の楽しみのひとつで
   往路はアメフトのスポ根映画であった。題名を忘れるくらい面白くなかった。ガッカリ。
   ほとんど揺れらしい揺れもなく順調な飛行が続き、本がちゃんと読めるしちょっと寝れた。
   4時間余りの飛行時間もあっという間に経ち機体は着陸体制に入る。
   海外ではこれほどスムーズな着陸の記憶が無いくらい静かにマクタン空港に着陸した。
   手のひらに汗がにじまない快適な空の旅でした。
                                                  つづく
      
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